#2 扉の向こうは闇?




 翌日、晴子が掲示板を覗くと、昨夜自分が書き込んだ返信の
更にその下に幾つか返信が連なっているのを見つけた。

 " 投稿者:アユム
   題名:Re:オフ会参加〜☆

   ハイハイハイッ!
   私も参加しますっ!O(≧▽≦)O "

「あ、アユムさんだ・・・」
 晴子は自分と同じく最近書き込みし始めた人物の名を呟いた。
「彼」でも「彼女」でもなく、「人物」としたのは
晴子の中ではこの人物の性別がはっきりとはしていなかったからだ。
 ハンドルだけを見れば明らかに男の名なのだが、
反してその書き込みの文面は妙に女性っぽい(顔文字とかが特に)。
だが往年のロボットアニメなど、
男性の好みそうな話題の知識が豊富なのである。

「ほんとに・・・アユムさんってどっちなんだろ?」
 晴子は電脳世界の匿名性の最たることをぼんやりと呟きながら
マウスのホイールを回転させてページを下へと進んでいった。
 これに続いた返信は管理人である論悟のものであった。

 " 投稿者:白夜 論悟@管理人
   題名:Re:オフ会参加締め切ったぜぃ

    オゥケィ、ハル&アユム!
    キミタチの魂の叫びは確かに受け取った!
    この戦への参加を歓迎するよ!

    っとゆーわけで、オフ会参加希望はこれにて終了!
    以上の参加者は後ほどメールにて
    当日の連絡先である携帯の番号とメルアドを送るように!
    折り返し詳細を連絡します。"

 そしてこの論悟にぶら下がるようにして続く返信が3つ。
先に書き込んだクロロ、鮮華、日暮 宗司のものだった。


 " 投稿者:クロロ
   題名:Re:Re:オフ会参加締め切ったぜぃ

    ハルさん、アユムさん、歓迎しますぞ!
    ようこそ悪魔の饗宴へ!(ぇ"
 " 投稿者:鮮華
   題名:Re:Re:オフ会参加締め切ったぜぃ

    >クロロっち
    >ようこそ悪魔の饗宴へ!(ぇ
    天使のような私がいるのになんてことを言うんですの?

    >ハルさん&アユムさん
    ようこそ、いらっしゃい。
    楽しいオフ会にしましょうね"
 " 投稿者:日暮 宗司
   題名:Re:参加歓迎します

    ようこそお二人さん。
    オフ会参加、歓迎しますよ"

 それぞれがそれぞれの書き方ではあったが
アユムも含めてどうやら歓迎されてはいるらしいので
とりあえず晴子は安心することが出来た。

 その後一通り掲示板を見て回った晴子は、
論悟の指示通り、トップページに記されてあったメールへのリンクから
自分の持っている携帯電話の電話番号とメールアドレス、
それに簡単な挨拶を沿え、「送信」ボタンを押した。
「・・・う〜、どうしよぉ〜、やっぱり緊張してきた〜」
 その直後、自分がしたことへの実感と緊張で
頭を抱えてしまった晴子であった。

 そしてオフ会当日の金曜日。
 あの後携帯に送られてきた指定
−14:00、アルタ前に集合−に従い、
スタジオ・アルタビルの前でいささか所在なげにたたずんでいた。
 ふと左手首の腕時計に目をやると、指していた時間は13:40。
つまり後20分は待たねばならないということだ。
 そして今度は肩から下げた小さなポーチの中から
携帯を取り出し、メールの受信履歴の一つを選択した。

 差出人は白夜 論悟。題名は「オフ会詳細」とあった。
 晴子はそのメールを読み進め、
最後の部分で手と目が止まった。
(論悟さん・・・本気でやるのかな・・・?)
 晴子はメールの文面を読み返しながら、
昨夜から何度ついたか分からないため息をついた。

 メールの最後の部分、そこにはこう書かれてあった。

゛今回のオフ会、メインイベントは「闇バーベキュー」だ!!
焼いてしまうと闇ではなくなるので、焼くまでが「闇」だエブリバディ!゛

(・・・闇鍋の次は闇バーベキューって・・・
選択間違ったかしら、私・・・)
 晴子がちょっとした不安を抱いたそんな時、
不意に液晶画面が切り替わり着信音が鳴り響いた。
 そこに映った番号と名は、白夜 論悟のものであった。




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