ショッピングモールを目の前にし、晴子は驚いた。
「論悟サン、此処デイッタイナニヲ?」
驚きすぎて漢字以外の文字が、カタカナ変換になっていると言うのは誰もツッコミをしない。
すでに晴子と論悟以外は各自調達に行ってしまい、居ないからだ。
「ハル、君も調達に行かなきゃいけないぜ!なぁに、食べられそうな。
それでいて魂の奮い立つような不思議な食材を持ってくれば良いというだけさ!」
ハッハッハと笑うと論悟もまた、中へと入っていった。
こういうのは初めての事だし、闇バーベキューなんてもってのほか。
おろおろとしているとヘリの運転席から降りてきたセバスチンが肩に軽く手を置いて話し掛けた。
「ハルさん、坊ちゃまが言うような物を持ってくれば良いだけでございます。
なぁに、闇鍋を焼くヴェ・・ヴ・・ヴァージョン!!とお考えいただければ気持ちが楽になりますよ」
セバスチンの“ヴァージョンが言えない欠点”というか大抵の50歳以上の人が
CD(シーディー)をシーデーとしか言えないような事を聞いていてクスクスと笑い出す。
「ありがとうございます、セバスチンさん!
私行って来ますね」
「頑張ってくださいませ」
キッカリ90度曲げの御辞儀をしてセバスチンは晴子を見送った。
気分も軽く、何を買おうかと(普通の)食材売り場を晴子はうろついていると
前方に鮮華さんを見つけた。
既に何かを買い込んでいるようで、手には紙袋とマークの付いたビニール袋を持っていた。
「鮮華さーん」
名前を呼ぶと気が付いたようで、こちらに小走りできた。
「ハルさん、まだ何買うか決めてないの?
って此処は普通の食品じゃない。もう少しひねった物を買わないと♪」
と手に持っていた袋から出したのはドリアン。刺がたくさんついているアレだ。
「……、ソレってありなんですか…?」
「多分ね。焼けれなかった場合は敗者に食べさせる罰ゲームの食品になってもいいと思うし」
臭いがキツイそれは罰ゲームの食品にはとっても最適☆と、どこかで宣伝していそうなくらい
大きくて刺が沢山ある。
とりあえず付近にあった物を掴んだ。
『なんか長いですね』
二人同時に言い、晴子が持った物…ネギを見る。
引っ張ると奥から奥からズルズルと緑色の部分が出てくるのだ。
取り終えた物は、2mはありそうなネギで買い物カゴが半分埋まる程だった。
「普通の食品売り場………?」
見上げた天井に掛かっている表示に疑問符を浮かべる。
このショッピングモールは他に何が売っているのか、想像がつかなくなってきた晴子であった。
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