咲かせよ桜と、妹は言った
「まったく…あと三ヶ月もすればセンター試験だというのに、こんなところで油を売っていてもいいんですか?お姉さま」
「たまには気分転換も必要なのよ。鯛焼きだって、塩水ばかりじゃふやけてしまうでしょ」
「…何を訳のわからないことをおっしゃってるんですか…。それに、ここ最近毎日、お姉さまのお顔を拝見してるような気がしますが?」
「う、うるさいわね…かわいい妹が心配で見に来てあげてるんじゃないの」
「御心配、痛み入ります」
「…まったく…本当にかわいくないんだから…」
「で、お姉さまはどちらの大学を志望されてるのですか?」
「H大の経済学部よ」
「えっ…すごいレベル高い学部ですけど、大丈夫なんですか?」
「あなた…本当に容赦がないわね……」
「それは、相手がお姉さまだからです」
「……一応、ありがとうと言っておくわ。まぁ、確かに今の学力だと正直ちょっとつらいけど、新聞記者になるっていう夢には、一番近そうだしね」
「そうですね…。じゃあ、ちゃんと現役で合格してくださいね。お姉さまと同期生になるなんて、私、嫌ですから」
「え?それじゃあ、真美も…」
「私も、将来の夢は新聞記者ですから。必ず、先に行って待っていてください」
「そんなこと言って…真美の方こそ大丈夫なの?」
「私にはまだ一年以上ありますから。それに、そんな先の話をしていたら、鬼も大爆笑です」
「そんなこと言ってても、あっという間に受験本番よ」
「その前に、お姉さまが受験本番ですよ」
「うっ……と、とにかく、私が先に言って待ってるから、必ず追いかけてくるのよ。約束ね」
「はい。…築山先輩」
了
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