いまさら、この話題もどうかと思うが…

 主観的意見というものが、数をなしたときに客観的意見・世論というものを形成するといってもいいであろう。
 私は、今までプレイしたゲームの中で「One〜輝く季節へ〜」を超えるゲームはないと思っている。実際、同じことを言う人も多い。
 他方、「輝く季節へ」というゲームがある。これは、いまさら言うことでもないが、「One〜輝く季節へ〜」のPS版、ということになっている。
 不思議といえば不思議、当然といえば当然、私の身の回りの人間の「輝く季節へ」の評価は完全に2つに分かれている。「すばらしい」という人と、「なめんな!!」という人と。
 言うまでもなく、私は後者である。私が、何故「なめんな!!」という感想を抱いたか。それは、他の大多数の同じ感想を抱いた人と理由は同じであると思われる。私が感じた点を、列挙してみよう。あくまで、私が感じた点である。
 まず、やる気の感じられないOP。我が友人も言っていたが、何故OneのOPがあの曲なのか。悪い曲ではないが、Oneを象徴する曲だろうか。OPというのは、いわばその作品の顔である。第一印象である。本で言うと表紙である。それで、あれか、とは正直思った。はっきり言って悪いが、あのレベルのOPならそこらへんの同人MUD(MAD)ムービーのほうが1万倍マシである。
 安っぽい音。何であんなに安っぽい音になってしまったのか。Oneはもともと相当高いレベルの音楽を使っていたゲームである。それだけに、あの実に貧弱な、あたかも一世代前の音源かと見まごうような貧弱な音質はいただけなかった。現に、同じKIDが出している「メモリーズオフ」と比べて相当貧弱な音質だと思う。
 声の問題。声優のミスマッチに関しては何もいう気がしない。個人的には澪と深山先輩と広瀬は文句なし、繭はあんなもんでしょう、先輩は声優の技量でOK、茜はまぁ、許容範囲、瑞佳は…微妙、詩子、きっついなぁ…、七瀬、問題外、という感想を抱いたが。私なんか、かわいいもんであろう。身の回りの人の話を聞くと、文句を聞かなかったのは澪、深山先輩、広瀬だけという、かなり悲惨な状況である。無論、身の回りといっても10人程度なので、「客観的意見」「世論」とは言いがたいが。声の違和感に関しては多分に個人の趣味も出るのである程度は仕方がないにせよ、声が出るのが女性陣だけ、というのはいただけない。せめて、住井と氷上くらいには声が欲しかった、と思うのは私だけだろうか。あんな「中途半端」な声付きのゲームにするくらいなら声なしで音楽の音質をあげたほうが建設的である。
 絵。付け足しのCGが、はっきり言って目障りである。上手い下手の問題ではない。絵の質が違う、それが問題である(個人的には、あの絵は元の絵に比べて相当下手だと思ったが)。絵の質が違うので違いが目に付いてしょうがないのである。いっそのこと、全部描き直すか、もしくはもともとの原画師であるところの樋上いたる氏に追加CGを描いていただきたかった(無論、前者だった場合私は購入の是非をかなり真剣に検討したであろう)。
 清水なつき。設定はいい。ねらいもいい。浩平が帰ってこなかったのも、まぁ、よしとしよう。しかるに、あまりにも展開が早すぎないか?もう少し早い段階から登場させて話を展開してほしかった、と思うのは私だけか?なにやら、ばたばたと出てきてあれよあれよという間に話が進んでハイさようなら…。何をかいわんや、である。
 で、皮肉なことにもメインキャラクターのストーリーがほとんどいじられていなかった点が、唯一の救いだったとおもえるのだ。基本的なプロットはまったく変更されておらず、ただ18禁シーンを抜いただけ、といっていいプロット。それゆえ、PC版をやった人間にはほとんど何の価値もないゲームだったが、PS版から入った人にとってはそれが当たり前であり、先入観がない分、私が貧弱と感じた音質に関しても、声優の点でも違和感を感じず、さらにストーリーはあの高い評価を受けたPC版とほとんど変わらないから、その人たちの間での評価は高かった…。これを皮肉と言わずしてなんという?
 別にPS版から入った人を邪道だとか、PC版からのファンのほうが正当派だとか、そんなばかげたことをいうつもりはさらさらない。この文章は、あくまでしがない一Oneファンの「戯れ言」に過ぎない。ただ、私と似たような感想を抱いたOneファンは少なからずいることもまた事実である。「輝く季節へ」が発売されたとき、KIDのBBSはかなり激しく荒れたと聞く。その事実をどう捉えるか。
 段々、自分でも何を言いたいのかよく分からなくなってきたので、この辺で筆を置くことにする。最後に一言…。
KIDよ、KANONだけは手がけないでくれ!! 2000年1月27日 自棄酒をあおりつつ  裏次郎

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