壱.「青大将」について

口先だけと思われてもかなわんので…

 最初に一言。
「こちとらとっくの昔から青大将をキットで組んどるんじゃ!今さらぼこぼこ製品出すな!!」
続いてもう一言。
「セット販売止めれ!!!!特に機関車と抱き合わせるな!!!」

 現在、マイクロエース・KATO2社から、合計4種の青大将客車が発売されている。いずれも、セット販売の形態をとっているのが正直残念である。もっとも、私は今さら完成品に乗り換えるわけにもいかないので高見の見物、ではあるが。

マイクロエース EF58-57・44系客車 特急「つばめ」

 一番最初に発売された青大将編成(大昔にKATOが単品を出していたが、とりあえずそれはおいておく)。マイクロエースのセンスの無さ…というより、実車に対しての知識・愛情のなさが炸裂した最低の製品。
 スロ54が、どうしたわけかTR23を履いていたり、怪しげなドア窓をしていたり、EF58 57が鋳鋼製台車を履いていたり、突込みどころが満載だった。
 ついでにいうと、初日下り編成をプロトタイプにしているので、本来主に「はと」に使用されていたマイテ58が展望車として組み込まれているあたりも、かなり微妙。
 まぁ、そんな「細かいこと」は、どうでもいいことらしいが。TOMIXのDF50(HO)が、手すりの位置の間違いで回収になったのに、こっちの製品は回収なんて話にもならないあたり、昨今の模型界の状況が透けて見えるような気がする。

KATO 特急つばめ青大将

 これが出ると言う話がでて、マイクロはどうしてもそれよりも先に発売したくて、あんないい加減なことをしたのではないか?と密かに思ったりもした。
 完成品でマイテ39が発売されることになるとは夢にも思っていなかったのだが、どうしてどいつもこいつも39 21なんだよ、と思ったのも事実(当時、キングスが出していたマイテ39も21だった)。39 1だったら、茶色に塗ったくって11に化けさせたのに、と思った人間は、きっと私だけではないはずだ。
 京阪ライトグリーンを青大将の色だ、と言い張っている人間にとっては、あの色が青大将のスタンダードとして語られることを密かに恐れている。

マイクロエース EF58-86+44系客車 臨時特急「さくら」

 そういえばなんで86なんだろう?という気もする。色物好きのマイクロとしては、89という選択が似合いそうな気もするのだが。それはさておき、自分で断ってあるからいいという問題でもなかろう。なんでマシ29 107がリベットありなのか、理解に苦しむ。どうしても107にしたいのなら、リベットなしで出せばいいだけだし、今後のことも考えて(?)リベットありにしたいというのなら、101にすればいいだけの話。とはいえ、まさかマシ29を入れてくるとは思わなかった。
 これで、マイテ39 11でも出てきたら卒倒するところだが、まぁ、それは無いであろう。

KATO 特急はと青大将/マイ38青大将2両セット

 なんでマイ38が2両セットやねん!!という突込みをした人間が、全国で何人いたであろうか。実際にマイ38が2両組み込まれていたケースというのは、恐らく非常に少ないであろう。これは本当に理解できない。正直、悪質な抱き合わせ商法に近いと思う。あと、スロ54がばら売りされなかったのは、少々残念。さすがに、スロ54のドアは、すべて原型タイプだったようだ。実際には、33〜47に関しては、Hゴム窓のドアを持っていたようだが。

 「旧型客車」と言われる車種は、編成に自由度が高く、模型の世界でも1両単位で調整を行いたいものである。そういった中、確かに固定編成に近い条件ではあるものの、それでも食堂車や特ロ、展望車のバリエーションが楽しめる青大将において、どちらのメーカーもセット販売というのは非常に残念だ。もちろん、セット販売のほうが販売管理をしやすいというような面はあるのだろうが、考えてみたらそれはあまりに消費者軽視の観点ではないだろうか。そう考えるのは、私だけなのかも知れないが。
 もっとも、買いもしない製品に文句ばかりつけるな、といわれると辛いところではあるが。私は、今後もGMを主体に、各社キットを交えて、京阪ライトグリーンの青大将を増やしていくつもりである。

各社キット・完成品による青大将の実践

 現状、ほぼフルラインナップに近い状況で完成品が出ている以上、以下の記事にどれほどの価値があるのかというのは微妙な問題ではあるが、出しているメーカーがKATOとマイクロエースという、安定供給という4文字からは最も遠いメーカーであるということを考えると、決して無意味ではないのではなかろうか。下手なコンバージョンキットよりも入手が困難なコンシューマー製品なんぞには反吐が出るというのが正直な感想ではある。

青大将という「色」、その解釈と実践

 昔から多くのモデラーを悩ませてきた色の問題。今でこそジェイズから「青大将色」という製品が発売されているものの、そんな便利な物がなかった時代には、京阪ライトグリーンや日本軍グリーン、イスラエル空軍色等など、近似色を利用するか、自家製の特製塗料を用意するか、どちらかだった。
 一番大きな問題は、「答え」がない、ということだろうか。実物が残っていない上に、現存する写真も、あまりに古い物故、どこまで信用できるか分からない。だからと言うわけではないが、基本的には個人の解釈・モットーの問題だと思う。そういう状況下で出てきた、完成品2社の製品の色が、「正解」と言うことにされるのだけは、我慢ならない。自分の青大将(私の場合は京阪ライトグリーン)が正解だ、と言うつもりはないが、完成品をずらっと並べて、それ以外の「青大将」は否定する。そんな風潮が出てこないか、私は少々心配している。

EF58

 まずは、以下の表をご覧頂きたい。

凡例
配置 東:東京機関区 宮:宮原機関区 高二:高崎第二機関区
メーカー 日:日立 芝:東芝 川:川崎車輌・川崎重工 東:東洋電機・汽車会社
配置は、青大将塗色になった当初の配置区を記している。
転属は、貸出については記載していない
番号 配置 ツララきり メーカー パンタ モニタ窓 前端ばり 転属 備考
37 14   57-10 高二/58-4 東京/59-12 高二  
38 14      
41 14        
44 14        
45 14       鋳鋼製先台車
46 14     58-4 東京  
47 14     58-4 東京  
49   14        
52   14        
55   14        
57   14       下り「青大将つばめ」1番列車牽引
58   14       '58年初 前面Hゴム支持改造
59   14        
63   14        
64   14        
66   14        
68   14        
70   14        
86   15        
89   15       上り「青大将つばめ」1番列車牽引
90   15        
95   14        
99   14        
100   15 H      
140   15 H     側ナンバー切抜き文字

 まぁ、ある意味この表がすべてなのだが。

 現状、KATO・TOMIXから発売されている製品のうち、この時代の青大将に「化かす」のに適している商品は、KATOの初期形大窓 茶/初期形大窓 青大将/初期形小窓 特急色/初期形大窓ヒサシ付 青大将の4種。TOMIXの大窓や、KATOの後期形 大窓 ブルーといった製品は、屋根昇降段の凹みを埋めてやる必要がある(下写真 赤丸部分)。
昇降段
この作業が地味にとてつもなく面倒くさいので、現状では先に挙げた3種から改造するのが、無難であろう。ただ、個人的には、KATOの製品に比べてTOMIXの製品の方が、若干スマートな感じがして好きではあるが。
 さて、その4種だが、どれも一長一短というか、どれもこれもストレートに使うにはちょっと困る事が多い。
 まず、初期型大窓2種だが、彼らには水切りがついていない。それはそれでいいのだが、’57年までには全車に対して水切りかツララきりが設置されている。そも、この顔で青大将だったのは57/58の登場時だけ、という話もある。ついでに言うと、水切りがない時代には、SG排煙口がガーランド形の物が二つだったのに対して、製品は大型の物が1箇所、になっている。
SG排煙口
ただ、排煙口と水切りに関しては、後天的な改造(水切りの設置、ガーランド形から箱形)がほぼ同じ時期に行われてはいるものの、恐らく同時に改造が行われたわけではないので、必ずしも水切りがない=ガーランド形、というわけではなかったかもしれない。この部分の改造に関しては、各車両が何時行われたのか、ということは私の手元の資料では判然としない。
 続いて初期形小窓 特急色だが、プロトタイプとしているのが、大まかに言うと「小窓/PS15/屋上モニタ窓Hゴム支持/非日立製」というタイプになっている。このうち、「非日立製」という部分だが、外から見てすぐにわかる部分というのが、車体枕ばり端面形状の差、である。
枕ばり端面
この部分の問題は、一部例外を除いて、EF58(新車体)全車について言える問題であり、ここが長方形になっているのは、現状TOMIXのEF58と、KATO上越形のみである。
 それを踏まえて見ていくと、上に挙げたとおり、この特徴にぴったり合致する車両というのは100号しかいない。
 仮に100号にするとしても、無加工というわけには行かない。この製品の前端ばりには、20系電源車制御回路用のジャンパ連結器が付いているが、当然青大将の車両にはこれは必要ない。削り落とす必要がある。
ジャンパ連結器
 そして地味に面倒くさいのが、下回りの色である。青大将の場合、台車の色は緑3号、もしくは黒だが、この製品は見事に灰色になっている。また、エアタンクも青大将は淡緑5号だが、製品は青。この素材、塗装のノリが悪く、下地にプライマー等を塗布する必要がある。ちなみに、下回りの緑3号だが、かなり濃い緑で、当時の写真を見る限りではほとんど黒といってもいいレベルである。私はクレオス(グンゼ)の124番 暗緑色(三菱系)を使っているが、印象としてはもっと黒に近い。
 PS14型パンタグラフや原型屋上モニタ等を別で確保してくると、別の車両に化かすことも出来、さらに小窓を拡大して大窓にしてやるとさらにバリエーションを確保できることを考えると、実は一番使いやすい製品ではないか、と言う話もある。原型大窓製品に水切りをつけるのと、既に水切りがついている初期形小窓 特急色を大窓に改造するのと、どちらが楽かと言う話は、個々人の工作の得手不得手、の問題ではないだろうか。
 最後に初期形大窓ヒサシ付だが、プロトタイプとしている前端ばりが狭いEF58というのは、35〜39の5両しかなく、中でも青大将になったのは37/38しかいない。
前端ばり
 さらに、製品についているNoプレートは37/38/45/47/52となっているが、このうち45は台車が鋳鋼製台車を履いている変形機、52はツララきりなしの車両のため、そもそもプロトタイプとは合致しない。まぁ、その辺のナンバーの齟齬の話は、今に始まったことではないが、説明書に一言あってもいいような気はする。もっとも、そんな細かい話、走らせてしまえば判らない、と言う話もないではないが、それを言ってしまうとそもそもナンバープレートの存在自体を否定することになってしまうので、さすがにそれで済ませてしまうわけにはいかないと思う。

 以上、4製品を使って青大将を「作る」時の着目点について、ざっと述べてきた。他にも運転室側面昇降用手すりの長さなど、いろいろな問題点は存在するが、一番の問題はKATO製品の入手性にある気がする。一度売り切れると再生産までのスパンは恐ろしく長く、その間の中古価格は高騰。「人気商品」は発売されると同時に市場から消える。レジェンドシリーズだかなんだか知らないが、一般製品を伝説になるほど長い間放置してどうするんだ?という感じである。

 他の製品から青大将に改造することももちろん可能である。以下に、私の拙作を用いてもう少し各論を述べていこうと思う。写真が非常に荒いが、御容赦いただきたい。
EF58揃い踏み…?

EF58 38

EF58 38faceEF58 38side
ベース:KATO 初期形大窓ヒサシ付
 ほぼ無加工。塗装は、車体色:京阪ライトグリーン/車体裾:黄色5号(いずれもGM)/下回り:暗緑色 三菱系(Mr.カラー 124)。実車の下回りは、もっと濃い緑(ほとんど黒に近い)のように見える。
 ただし、避雷器は、実車が角型の物(LA12)を戴いていたようなので、銀河モデルのパーツを用いて交換してある。また、上越筋に配属された際に取り付けられたホイッスルカバーが付いたままになっているので、製品付属のパーツを用いて取り付けてある。
5838ホイッスル
狭前端ばりを持つ青大将の、2両中の1両。

EF58 45

EF58 45faceEF58 45side
ベース:TOMIX 大窓・茶色(?)
 鋳鋼製台車を持つEF58のうち、唯一青大将になったカマとして、モデル化するファンも多い車両の一つ。他のモデルに比べて格段に造りが甘いのは、製作時期がかなり昔のため。言い訳ではあるが。
 特徴的な台車は、銀河モデルのパーツを使用。ナンバープレートも同様。実車はツララ切り付なので、これも銀河パーツを使用。無駄に手すりを別パーツ化しているが、大した技術力もないのにこういうことをするとすべてを台無しにしてしまうと言ういい例。エアタンクと枕ばり端面の色が下回りと同じ色に塗られているが、これは誤り。正しくは車体色と同じ色である。
 実車は、車体裾のスカートが車体枕ばり付近まで延長されている。しかも、日立製のクセに枕ばり端面がどう見ても台形になっているようにしか見えない。そう考えると、そもそもベースをTOMIX製にしたのは間違いではないか?という話もある。いまだとKATOの初期形大窓ヒサシ付を使って、下回り(先台車)を交換するのが一番スマートな方法であろう。
5845車体裾
パンタグラフはKATOのPS14に、避雷器は銀河のパーツに、それぞれ交換してある。

EF58 49

EF58 49faceEF58 49side
ベース:TOMIX 大窓・茶色(?)
 オーソドックスな形態の青大将。45と同じく、避雷器とパンタ以外はほぼ製品のまま。ナンバープレートは、昔BONAから出ていた「EF58用 ナンバープレート【青大将塗装機用】」を使用。このパーツ、前面用がインレタだったのだが、私の腕とやり方が悪かったので、綺麗に転写できなかった。話によると、必要な部分を切り取って、テープで固定して転写するものらしい。ただ、個人的には、他社のようなエッチングパーツの方がありがたい。特にこのカマはお顔の起伏が激しいので、転写は非常に難しい、と思う。

EF58 57

EF58 57faceEF58 57side
ベース:KATO 初期型大窓
 初日下り青大将「つばめ」、最終日客車「つばめ」を牽引した、東京機関区のエース。当然、作例もそこそこ多い。プロトタイプは、初日Ver.。本当はSG排煙口がガーランド型になるのだが、加工時にそこの部分をすっかり忘れていて、そのまんま。製品を塗り替えただけの、何のひねりもない一品。No.プレートも色んなところから出ているので困らない。あえて、水切りをつけて、最終日Ver.をでっち上げる方が、面白いかもしれない。個人的には、水切りなしよりも水切りありのゴハチの方が、顔が締まった感じがして好きだ。

EF58 58

EF58 58faceEF58 58side
ベース:KATO 初期型大窓
 史上最も不細工なゴハチといっても過言ではあるまい。青大将になった当初は、原型大窓水切りなしという、きわめて端正な表情をしていたのが、’58年に前面窓Hゴム化改造が施工されている。しかも、他の同一の改造と違い、窓の上辺も下降させると言う手法ゆえ、他のHゴム窓のゴハチとは違う、非常に特異な表情を持つゴハチになってしまった。しかも、水切りなしでHゴムという時代があったらしく、その姿はもはや特異と言う表現を超えて、とてつもなく間抜けである。私も、その写真を見て唖然とした。間違いなく、最も格好の悪いゴハチである。
5860と5858
 EF5860と並べてみると、こんな感じになる。この窓は、上越型 茶製品のものを使っている。当時はHゴム窓はこれしかなかったのでこれを使ったのだが、実車にはデフロスターはないので、今だと御召予備用等の前面窓を使う方がいい。ベースの車両の前面窓部の上下を、プラ板で埋め(確か、0.5mmだったように記憶しているが、はっきりとは覚えていない)、窓がぴったりとはまるように調整すればOK。実際のところはHゴム窓の窓パーツも大窓の窓パーツも上辺は同じ位置にあるはずなのでこうするとちゃんとはまらないはずだが、そこは何とかなってしまうもの。この車両を再現するためには、是非とも上辺は下げるべきだ。
 あまりに不細工なお顔のため、作例もほとんど見ない。実際作ってみて改めて思ったのは、やはり大窓のゴハチは美しい、と言うことだった。

EF58 86

EF58 86faceEF58 86side
ベース:KATO 小窓旧製品
 アリイが何故か選択したした車番と同じ車番。記録を紐解いてみると、客車最終日上り「はと」を牽引したのが彼女だったらしい。このカマのような小窓青大将は、大ミハにしかいなかった。車体は旧製品だが、下回りは新製品。動力の固定は窓セルパーツで行われているので、新車体に使われている窓セルパーツをバラバラにして、それを旧車体に移植、それをもって動力の固定を行っている。なんでこんな面倒くさいことをしたかというと、当時は「小窓特急色」の新製品が出てなかったから。パンタはPS15に換装してある。

EF58 89

EF58 89faceEF58 89side
ベース:TOMIX 大窓・茶色(?)
 初日上り青大将「つばめ」を牽引し、現在も静態保存されている大ミハのエース。実機が日立のカマということで、TOMIX製品を使って、全面窓下部をかさ上げ(0.2mm+0.5mm=0.7mm)している。避雷器が銀色のままなのは、勘違いと手抜き。実車はもちろん車体色と同じ色。パンタはPS15。TOMIX製品は水切りが湾曲した形でモデライズされているが、これは後年の姿で、当時の姿は一直線。非常に印象に大きくかかわる部分なので、本当は改造した方がいいのだが…

EF58 95

EF58 95faceEF58 95side
ベース:KATO 初期形小窓 特急色
 何故この車番を製作したかというと、’58/5/16の上り「さくら」を再現したかったため。この日の「さくら」は、最後尾にマイテ39 11をぶら下げていたという記録が残っている(鉄道ピクトリアル Np.514)。パンタがPS14で、小窓、というやや過渡的な形態の持ち主。

展望車/一等車

 青大将になった展望車は6両、マイテ39 1/21・マイテ49 1/2・マイテ58 1・2、である。6車6様、同じ形式でも差異があり、ちゃんと創り分けたいところ。
 また、その他の一等車として、おなじみのマイ38 1/2が在籍した。

マイテ39 21

マイテ3921
ベース:キングスホビー
 今でこそKATOの完成品が出ている(手に入るかどうかは知らない)が、そんなものがない時代は、キットを組むしかなかった。素組み。何も言うことはない。

マイテ49 1

マイテ491
ベース:KATO
 KATO製品ベースに、窓割と屋根を弄ってある代物。ベースのプロトタイプが49 2のため、この作業が必要になる。
491と492
ただ、今はそもそもベースとなるKATOマイテ49の入手が非常に困難なため、レボリューションファクトリーのキットを使うくらいしか方法がなさそうだが…

マイテ49 2

マイテ492
ベース:KATO
 KATO完成品の、屋根をまったいらに整形して、色を塗り替えただけ。本当は床下機器の配置も実物とは違うのだが、面倒くさいからそのまんまになっている。ところでKATOは、マイテ49の再生産はするのだろうか…

マイテ58 1

マイテ581
ベース:KATO+GM
 GMオハ35の側板を使い、窓枠移植を行った代物。デッキ/屋根/床板は、KATOマイテ49。作った時にはよもや完成品が発売されるなどとは予想だにしていなかった。キットも完成品もある故、製法を語る必要もなかろう。

マイ38

マイ38
ベース:GM
 GMスハ32に、同スハ44の窓枠を移植した代物。屋根は帰省臨時急行セットに入っているオハ35戦後Ver用の半切の物。スハ44の窓ピッチとマイ38の窓ピッチが微妙に違うため、実車とは窓配置が少し違っている。OTTNのキットに始まり、KATOの完成品でとどめを刺された気分になった。KATO製品が出た時に、「ああ、時代が追い越していく」と感じ、少し寂しい気分になったのは、紛れもない事実。ただ、何度でも言うが、KATOの2両セットという発売方法には納得がいかない。

マイテ39 11

マイテ3911
ベース:レボリューションファクトリー
 オマケ。青大将ではないが、青大将「さくら」のお尻にぶら下がっていたりもした。レボのキットを素組みしただけの代物。屋根はキングス、屋根の冷房用ダクトはプラの積層ブロックを削った物。展望部の合いも良く、組んでいてもストレスがない。さすがにこいつは完成品としては出ないとは思うが、こんな物まで出てしまった日には、やってられないと思う…。

 残る展望車は、マイテ58 2/マイテ39 1の2両。キットはあるので、いずれ完成させてお目にかけることができると思う。もっとも、ここまで完成品が出てしまうと、これらの情報とて何の価値ももたない、ただただ自己満足の代物に過ぎないのかもしれないが…

食堂車

 青大将になった食堂車は、都合8両、オシ17 1〜4/マシ35 11・12/マシ29 101/107である。このうち、メインで使われていたのはオシ17、編成の記録を見ると、「さくら」にはマシ35・29が主に使われていたようだ。

オシ17

オシ17
ベース:GM
 GMのキットをほぼ素組み。ただし、非常口の窓を埋めてある。
17非常扉窓
これは、GMのプロトタイプがオシ17後期型であるため。実際には、喫煙室の部分に非常扉が設置されているのだが、この部分に関しては未改造。
17非常扉
また、台車はTR50を履いているが、実車はTR53。これは、製作当時KATOのASSYパーツが入手できなかったため、暫定的に履かせていたのをそのまま忘れて放置していたのでこうなっている。
 GMのキットから改造するとこのように色々と面倒だが、いまだとKATOのセットを買うと自動的にこの時代のオシ17が手に入るようになった。誠に結構なことではあるが、問題は単品で入手できないことか。

マシ35

マシ35
ベース:KATO
 KATOのマシ35を塗り替えた車両。いつのまにかセット販売のみになり、そしてそのまま絶版になってしまうのではないか、と密かに危惧している製品ではある。GMからもキットが出ているが、こいつは後に非常口が増設された時代の物をプロトタイプとしており、そのまま使うにはちょっと痛い製品。今だとレボのキットが一番入手しやすいかもしれない。おかしな話である。

マシ29 101/107

マシ29101
マシ29107
ベース:レボリューションファクトリー(101)/キングスホビー(旧シバサキ 107)
 青大将「さくら」をモデるのに欠かせない(欠かしたくない)役者の一人。見ての通り、101はリベットあり、107はリベットなしの姿だった。アリイが出したマシ29が、リベットありで107という謎仕様になっていたのは、前述の通り。旧シバサキのキットは恐らく既に入手できないだろうが、リベットなしのタイプもレボから出ているので、今だとそっちを使う方がいい。

特別二等車

 青大将になった特ロは、スロ54/ナロ10の二機種。当初はスロ54が使用され、ナロ10が落成すると順次ナロ10に置き換えられていった。ちなみに、スロ60は青大将にはなっていない。

スロ54

スロ5413
ベース:GM
 GMキットのスロ53を組み立てた物。53と54の外観上の差というのは小さく、蓄電池箱が大型の物になっているということくらい。GMのベンチレーターに付属している蓄電池箱を利用するのが吉。また、33以降は客用ドアの窓がHゴム支持になっている。
スロ5437
ドアパーツはタヴァサのPN-507 客車用Hゴム窓を使用。ドアの下辺を1.5mmほど切り落として使用している。ただ、本当は上辺を切り詰めなければいけないっぽい。実際の作業に当っては、現物あわせで対処することになる。
スロ5410
これはオマケ。当然、ぶどう色をまとっていた車両も、同時に在籍していた。
 KATO製品の単品販売が望まれるような、望まれないような、複雑な心境である。

ナロ10

ナロ107
ベース:GM
 GMキットのナロ10を組み立てた物。トイレ/洗面所窓の表現が悩ましいところ。実車の写真から受ける印象としては、GMの表現よりも少し窓が小さく感じる。逆に、アリイのナロ10は、窓が小さすぎる気がする。
ナロ1029
当初は大半が青大将となってしまい、このようなぶどう色をまとった車両は少数派であった。
 これはKATOから単品発売されていたような記憶もあるのだが…。

(特別)三等車

 正式名称として特別三等車という区分があるわけではないが、44系客車のことをこういう風に呼称する場合もないわけではないらしい。スハ44/スハニ35/スハフ43の三車種。

スハ44

スハ44
ベース:GM
 GMキットのスハ44を組み立てた物。この車両に限ったことではないが、TR47台車はすべてKATO製を使用している。GMのものは、雰囲気的に華奢な感じを受けるのが、気に入らない。出来栄えを考えるなら、KATO製品を使用するのが妥当なのだろうか…。

スハニ35

スハニ35
ベース:GM
 GMキットのスハニ35を組み立てた物。スハ44と同じ。余談だが、GMの特急「はつかり」セットを買って、スハフ43を大量に余らせたという経験をした方というのも、減ってくるんだろうか。

スハフ43

スハフ43
ベース:GM
 GMキットのスハフ43を組み立てた物。スハ44と同じ。こいつはまだKATOから発売されていない。時間の問題のような気もしなくはないが。実車が3両(0番代の話)しかいなかったのであっという間に実車と同じ両数になってしまう。「つばめ」「はと」にはほとんど使用されなかったと思われるが、「さくら」には欠かせない。

 以上、青大将をまとった車両に関しての模型化について、つらつらと述べてきた。完成品が充実(?)してしまった現状では、「昔はこんな風にやってたんだよ」という、じじぃの昔話以上の価値はないかもしれないが、何らかの形で、この記事が役に立てば…。立たないか。
続いて、青大将以外について、述べていこうと思う。

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