弐.Aロネ・ABロネ

 2等A寝台車というのは冷房付個室寝台車のことであり、2等B寝台とは、冷房付開放寝台車のことである。(一部例外あり)これは、戦前製の優等車全般にいえることだが、戦時格下げや、進駐軍接収で形式の変遷が複雑になっているものが多い。ここでは、戦時格下げ、進駐軍接収による変遷は無視して話を進めることをはじめにお断りしておく。
 この当時東海道線で定期的に使用されていたのはAロネがマロネ48・49、ABロネがマロネ40である。これらの車両は当時の国鉄の中でも最高クラスの車両で、いずれも旧1等寝台車流れ、冷房付の個室寝台車(マロネ40は半室個室の半室プルマン)である。

 マロネ48・49
 それぞれマイネ48120→マイネ37100→マイネ37→マイネ29→マロネ48、マイネ37130→マイネ38→マロネ49という変遷を経た古強者である。戦前製でダブルルーフ、貫禄たっぷり、といったところだ。戦後になってマロネ49のうち1・4・5に冷房装置が取り付けられた。この取り付けによって、屋根に変化があった。また、写真を見ると、マロネ49 1は片方のデッキが埋められているようだ。他車に関しては未確認であるが、恐らく同様の改造が行われたものだと思われる。また、マロネ48も冷房化された、という話もあるのだが、それを積極的に支持できる証拠を見つけることができなかった。
 マロネ48は1〜6で全車東シナ所属、マロネ49は1〜5でもともとは全車東シナ(東オクか?)だったが、’57−10改正で「彗星」に組込むために1・4・5が大ミハに転属となっている。

 マロネ40
 一方こちらは戦後派寝台車、マイネ40→マロネ40である。1〜14・16〜21の計20両がいて(15は事故廃車)各車の所属は、1〜12が東シナ、13・14・16〜18が門タケ、19〜21が大ミハだが、’59−9改正で「雲仙」への連結が廃止されたために門タケの車両は大ミハと東シナに転属となっている。資料不足のため、何番がどこに転属となったのかは不明である。

形式メーカー形態定価製品名備考
マロネ49キングT8500マイネ37130非冷房車
レボC1800マロネ49 非冷房 マイネ37130非冷房車
レボC1800マロネ49 冷房冷改車
マロネ40レイルB1500  
レボC2700  
キングB5500  
マロネ48キングT10900マイネ37100 
レボC1800マロネ48 マイネ37100 

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