七.特別2等車

 ’58-10改正までは特別2等車、それ以降は主に2等指定車として運用されていた車両であり、スロ60・50・51・52・53・54・ナロ10が存在した。このうち、スロ52は北海道向けの寒冷地仕様となっていて、東海道本線には関係がない。また、所定では、この時代の東海道本線ではスロ50は定期運用についていない。

 スロ60
 鋼体化資材を使用して30両が製造された特別2等車で、シートピッチも特別2等車としては最大の1250mmを誇っている。当初国鉄は1等車として製造するもGHQの横槍が入り「特別2等車」という等級が出来た、というのはあまりにも有名な話である。1〜30のうち、13〜18は荷物保管室の代わりに乗客専務車掌室が設置され、113〜118を名乗っている。製造当時は「つばめ」「はと」に用いられブイブイ言わせていたが、’56-11改正からはその任をスロ54に譲り、急行用特ロとして活躍した。

 スロ51
 スロ60・50がともに木造車の台枠を流用していたのに対して、純然たる新造車として初めて製造された特別2等車。1〜60の60両が製造されたが、3〜10・13・14・30・31・48〜50・53〜55の18両は’52(S27)に道内向け寒冷地仕様スロ52に改造されている。シートピッチが1100mmと狭い分、定員も52名と最も多くなっている。そのせいか、特急に使われる事はなく、急行用としてブイブイ言わせた。

 スロ53・54
 スロ51に続いて製造された特ロで、共にシートピッチが1160mmと51よりも若干広くなっている分、定員も48名と少し少なくなっている。で、この2車種、何が違うかと言うと、ただ単に53は白熱灯、54は蛍光灯、と言うただそれだけの差しかない。外観的にはまったく同じと言っていい2車種である。53が30両、54の方は47両製造され、54の一部は青大将色をまとい東海道を闊歩していたのは前述したとおり。

 ナロ10
 軽量客車シリーズの特ロ。「壱.「青大将」について」で、脈々のべた通りである。シートピッチ・定員はスロ53・54と同じ1160mm・48名である。

形式メーカー形態定価製品名備考
ナロ10GMP800  
マイクロK- 青大将 セット販売のみ
KATOK1400 青大将
スロ60KATOK1200  
KSC980スロ60A 
KSC980スロ60B100番代
スロ51レイルC1500  
KSC980  
YトレインC2700スロ51(スロ52)近代化改造車近代化改造後
レボC1800  
キングT3980スロ51 原形窓車 
スロ53GMP800  
YトレインC2700スロ53近代化改造車近代化改造後
キングスB3980スロ54(スロ53) 
スロ54GMP800スロ53 
YトレインC2100 KATO製品ベース
マイクロK- 青大将 台車ミス セット販売のみ
キングスB3980スロ54(スロ53) 

六.食堂車 に戻る

八.2等車 に進む

車輌に戻る